CAEとは
CAE(Computer Aided Engineering)とは、製品開発の初期段階から、コンピュータを用いた仮想試作・仮想試験を十分に行い、できるだけ少ない試作回数で、素性のよい、高品質な製品開発を行うためのコンピュータを活用した設計技術です。「有限要素法」などの「数値解析手法」を用いたコンピュータソフトウェアを使用し、デスクトップのワークステーションからスーパーコンピュータまで、さまざまなハードウェアで実行することができます。
CAEのできること
- 「CAE は、力の状態・流体・熱・電磁場などの物理現象を計算可能です(マルチフィジックス)」
- 「CAE は、マイクロマシンように小さなものから地球のように大きなものまで適用対象になります(マルチスケール)」
- 「CAE は、応力、温度、電磁場のように目では見えない物体内外の現象を可視化することができます」
CAEのメリット
- 不具合の原因解明
製品や構造物に不具合があったとき、ときには人命にかかわる重大な事故を引き起こすことがあります。CAEを利用して、不具合が生じた製品の材質、形状、寸法などを設定し、さまざまなシミュレーションを重ねることで不具合を引き起こした原因を解明する手助けとなります。また、致命的な不具合を生じることを未然に防ぐ設計変更などの知見を得るなどの活用もできるでしょう。 - 材料データ(強度・寿命などの試験データ)から製品の強度・寿命を予測
使用する材料の強度や疲労寿命に関する基礎データがあれば、製品設計のプロエスで、仕様や形状がおおよそ決まった段階で製品の強度や寿命をCAEを活用したシミュレーション で予測することができます。また、CAE はコンピュータ上でCAD形状を柔軟に変更できるので、設計の上流段階で仮想試作・試験が可能となります。 - 試作の代わりにさまざまな設計検証ができる
最近、コンピュータの高速化と低価格化、3次元CAD を含むCAE ソフトウェアの高機能化と低価格化が進んできました。このことは、コンピュータ上で試作・試験を行う「デジタルプロトタイピング」を産業界の広い層で行うことを可能にしました。これまで高度にCAEを活用してきたロケット、航空機および船舶などの安全性が重視される大型設備・機器はもちろんのこと、広くコンシューマ製品の設計・製造活動においてCAE を活用しています。
CAEを活用するには
CAE特有のノウハウ(計算工学に関する基礎知識)が必要
- 有限要素法を初めとする数値計算技法の基礎理解
- 適用分野(構造、熱、流体、電磁気など)ごとにCAE利用技術の習得、ノウハウの蓄積
CAE利用環境の構築が必要
- CAEソフトの導入(ベンダー選定、ライセンス契約、保守&サポートの購入など)
- CAEソフトを利用するハードウェア環境の構築(デスクットップワークステーション、クラウドなど)
CAEツールの構成
プリプロセッサ
プリプロセッサーでは解析を実行するために必要な入力データを作成する機能です。構造解析であれば、- CADデータを読込み
- メッシュ作成
- 荷重や拘束の設定