-CAEモデリング、解析、結果処理のすべてにおいて、さらに機能が強化-
2008年7月25日 Algor社(アメリカ、本社:ペンシルバニア州ピッツバーグ)は、2008年7月23日、総合CAEソフトウェアALGORのV22をリリースし、CAEモデリング、解析、結果処理およびプレゼンテーション機能のすべての分野において、大幅な機能強化を実施したことを発表しました。
株式会社CAEソリューションズ(日本、本社:東京都調布市)では、このALGOR V22をアメリカと同時に日本で販売を開始します。
主な新機能として、64ビットOSサポートの拡張により、大規模モデルでのプリポスト処理を、ユーザーはこれまで以上に快適に操作できるようになりました。また、海水路流れの解析が可能になり、流体と気体との間に自由表面のある、海洋系や排水系、液面計などの解析を実行できます。MUMPS(multifrontal massively parallel solver)は分散メモリシステムに対応し、線形、非線形の応力解析および流体解析の計算をより高速に実行します。二次元平面応力要素での損傷解析は、ガラス繊維強化複合材料の損傷の発生と成長の解析に好適です。さらに、ソフトウェア・ウィザードが自動的に応力対象に対してリモート荷重を適用し、計算することができ、例えばねじり解析のトルク荷重の設定が容易に行えます。
ユーザーは、このV22のリリースを非常に歓迎しています。
カナダのINNOVENG Inc.の主幹技師Barry R. Stump氏は、「私たちは絶えずFEAモデルサイズと複雑さの限界に挑戦せざるをえません。これからは、ALGOR V22があるので、より大きく、より複雑なモデルのメッシュ作成と解析に、x64プロセッサを完全に利用できます。現在、線形静解析のための約200万のソリッド・メッシュのモデルがありますが、この解析も実行できるようになりました。」と述べています。
また、アメリカのSaba Metallurgical and Plant Engineering Services, LLCの社長で主任技師のBrent Saba氏は「ALGOR V22は私たちに以前は可能でなかった大規模解析を可能にしました。当社では、常に不規則形状部品を使用した大規模モデルを解析する必要があります。V22のリリースによって、多くの面-面接触を伴う複雑なメカニカルイベント・シミュレーション(MES)を実行できます。さらに、すべての他のCFDソフトウェアに匹敵するV22の流体解析機能で、複雑な渦を含む立体的な流体解析にも成功しています。」と述べています。
ALGORのプロダクト・マネージャであるBob Williamsは、このV22のリリースについて、次のように述べました。「ALGORは常にユーザーの要望に対応して開発作業を行っています。V22では、製品設計のエンジニアリング・シミュレーションのために、対応能力を増強しながら、柔軟性と使いやすさを、ユーザーに提供しています。大規模モデルへの対応、さらに追加された機能は、本当に実験室の中で試作品テストを行っているのと同じくらい、現実的なシミュレーションが可能な、真のコンピュータ内での施策環境に、また一歩近づきました。」
ALGOR V22のその他のおもな新機能は、以下のとおりです。
- 先端の細いビームの解析のために、ビームの様々な断面積を自動生成して解析する、ソフトウェア・ウィザード
- 全体要素数を少なくしながら、精度を確保できる、最適なメッシュを作成できる、CADモデルへの基本メッシュ・プログラムの改善
- 圧力容器の検証や解析条件設定に必要なPVデザイナー・ツールの改善 (減圧機および円錐ヘッドのサポート、球形容器同士の接続のような長さ0のメインシリンダーの生成、要素タイプの自動設定)
- 線形静解析での破壊解析のサポート
- 結果検証およびプレゼンテーションのための機能拡張 (流体解析での流量表示、ユーザー定義断面積のコードチェック、前回の解析リポートの構成をインポートなど)
- その他多くの機能改善
ALGORについて
全世界95カ国以上で、20,000ライセンス以上を出荷している、代表的CAEソフトウェア・パッケージ。
「MES(メカニカル・イベント・シミュレーション)」に代表される、高度な機能を有しながら、「InCADテクノロジ」によって、Alibre Design、Autodesk Inventor、Inovate、IronCAD、KeyCreator、Mechanical Desktop、Pro/ENGINEER、Rhinoceros、Solid Edge、SolidWorks、SpaceClaimといった3次元CAD/モデラーとの、連携機能を持ち、スムーズに設計と検証のやりとりを行うことが可能な環境を構築。線形静解析、座屈解析、線形動解析、熱伝導解析、流体解析、静電解析、およびこれらを組み合わせたマルチフィジックスを実行することが可能で、さらに「MES(メカニカルイベント・シミュレーション)」では、運動で生じる慣性効果を考慮しながら、衝撃、大変形、接触、座屈、機構などの現象を解析することができる。
解析のための条件の読み換えのような、従来CAE導入のハードルとなっていた部分を極力排除し、より実際の挙動、実際の荷重を、直感的に与えることで、結果を得られる機能を実現している。
Algor社について
応力解析ソフトウェアを1979年にリリースすることで開始された、Algor社は、その後CADインターフェイスや自動メッシュの開発、各産業向けパッケージのリリースなどを経て、カーネギーメロン大学との5年間の共同研究の成果である「MES(メカニカル・イベント・シミュレーション)」を1998年にリリースするに至りました。現在では、そのCAEソフトウェア「ALGOR」は、3M、ボーイング、デルファイ、デュポン、GEなど、数多くの世界的企業の製品開発に導入され、高機能と操作性は高い評価を受けています。
CAEソリューションズについて
解析ソリューションを中心に、設計現場の効率化を支援するソリューションを提供すべく、2006年に株式会社フルイドテクノロジーが株式会社大塚商会より増資を受け発足しました。SolidWorks社のCOSMOSDesignSTARのマスターディストリビュータをはじめとして、幅広い解析ソフトウェアおよびサービスを展開することで、製造業のみならず設計を広範囲にカバーできる、効率化と高精度化のための支援態勢構築を目指しています。
本件に関する問い合わせ
株式会社CAEソリューションズ
電話:03-3514-1506
ALGORは、(米)ALGOR, Inc.の登録商標です。また、これ以外のすべての製品名、サービス名は、各社の登録商標あるいは商標です。