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Simcenter FLOEFD無料体験セミナーSimcenter FLOEFD 解析事例
事例一覧
冷房中の室内換気におけるサーキュレーター使用(設置位置・送風角度)の最適化
外気温30℃の夏場、エアコンを稼働させたまま大きい窓とドアを一部開放して換気を行う際、最も効率良く換気ができ、かつ部屋の温度変化の小さい、サーキュレーターの使用状態(設置位置、送風角度)について検討を行います。
下図のサーキュレーターの設置位置、送風角度を初期状態として解析を行ったのち、imcenter FLOEFDのHEEDSモジュール(※)を使用し、サーキュレーターの①設置位置と②送風角度を設計変数として最適化を行います。

サーキュレーターは部屋内の床面(x-z平面)上で自由に配置することができます。
また、以下に示すように2方向(左右方向及び、上下方向)への回転自由度があるものとします。

設定
流体解析のための各設定は下図の通りです。また、最適化を行うための目的関数と設計変数の設定を行います。
本例では、
目的関数として
換気効率 ⇒ 新しい空気の体積割合:最大化
冷房効果 ⇒ 部屋の平均温度:最小化
設計変数として
① サーキュレーター位置:室内x-z平面上2方向への移動
② サーキュレーター送風角度:左右方向、上下方向への回転
を設定します。

結果
エアコンの稼働による冷房効果とサーキュレーター使用による換気効率という、2つの特性を目的関数としていますが、これらは互いにトレードオフの関係になると考えられます。Simcenter FLOEFD HEEDSモジュールでは、トレードオフの関係にある多目的最適化(複数の目的関数が存在)を行うことで、複数の最適解(パレート解集合(※)、パレートフロント)を得ることができます。
※下図の緑色の点

この中から、最も代表的な計算結果として
初期状態 | :リファレンス |
最適79 | :室内の平均温度が最小 |
最適119 | :新しい空気の割合が最大 |
上記3つを比較すると以下のようになります。
最適79 | 初期 | 最適119 | |
室内の平均温度[℃] | 27.9 | 28.8 | 29.6 |
新しい空気の割 | 0.24 | 0.55 | 0.94 |
初期

最適79(室内の平均温度が最小)

最適119(新しい空気の体積割合が最大)

まとめ
Simcenter FLOEFD HEEDモジュールを使って、トレードオフの関係にある複数の目的関数をもつ多目的最適化を行い、パレート解集合を得ることができました。それぞれのパレート解から得られるアセンブリセットを確認し、最も適した解を選択することで効率的な検討が可能となります。
脳動脈瘤のある血管内の流体解析
分岐に動脈瘤のある、血管の簡易モデルで血液の流れをシミュレーションします。動脈瘤は、一般的にブレブ(こぶ)があり、ネック(つけ根)部分が狭いほど危険度が高いといわれています。動脈瘤の形状違いの流れの特徴を確認するため、ブレブの有無、ドーム/ネックの大小合わせて4通りの解析結果を比較します。
設定
流入速度:1m/s(大動脈での流速を想定)温度:36.5℃(一般的なヒトの平熱を想定)
圧力:18000Pa(血圧約135mmHgを想定)

結果
圧力比較ブレブがある場合、ブレブ部の圧力が高くなる傾向です。
ネック幅縮小でドーム内が低圧になる一方、血管分岐で圧力は高くなる傾向です。

流速比較
ネック幅が広い場合、瘤の中にも流速が速い部分が存在する一方、ネック幅が狭い場合、瘤の中の流速は全体的に遅い傾向です。

せん断応力比較
ブレブがある場合、ドーム内せん断応力の高低差が大きい傾向です。
ネック幅が狭い場合、ドーム内せん断応力の小さい範囲が拡大傾向です。

流跡線比較
ネック幅が広い場合、ドーム内でまんべんなく流れがある一方、ネック幅が狭い場合、ドーム内の流れのない部分がある傾向です。

まとめ
一般的にブレブ(こぶ)があり、ネック(つけ根)の部分が狭いほど危険度が高いといわれている脳動脈瘤の特徴的な流れが、 簡易モデル解析でも確認できました。インテークマニホールドの流体解析
出口の流量が均等になるようなインテークマニホールド形状を作成するため、流体解析を行います。オリジナル形状でインテークマニホールド内の空気の流れ解析し、それぞれの出口での空気の流量を求めます。解析で求めた流量の結果をもとに、出口の流量が均等になるよう形状変更を行い、再度解析実行・流量比較を行います。
設定
流入速度:30m/s圧力:一気圧(各気筒)

オリジナル形状と、形状変更後の二つのモデルで、各気筒の流量割合を比較します。

結果
流量比較オリジナル形状では、各気筒流量割合から、#3と#1の差が22.1%と気筒間ばらつきが非常に大きいことがわかります。
流束分布より、#1コーナーで剥離が起こり、#1に流れ込みにくくなっています。


形状変更後では、各気筒間の流量の最大ばらつきは3.5%に改善しています。

