第2回 OpenFOAM®User Conference 2014レポート
去る10月7日から9日、ベルリンにて、ESI-OpenFOAM User Conference 2014が開催された。第2回とのことでOpenFOAM活用の広がりを期待して参加した。弊社展示テーマはOpenFOAM実用化ツールとしてのHELYX®の紹介および日本でのOpenFOAM啓蒙活動の紹介として、FOCUS事例とオープンCAE学会の協力を得て活動概況をアピールした。
開催場所 | ドイツ、ベルリン |

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日程 | 2014/10/07 ESIウェルカムセッション「基調講演 3件/OpenFOAM開発メンバ講演」
2014/10/08 分科会「Track1:自動車、輸送/Track2:化学、プロセス/Track3:エネルギー、電力」
2014/10/09 トレーニング |
スポンサー | ゴールド:DHCAE Tools シルバー:BETA, CEI, CPU24/7, FRIENDSHIP SYSTEMS, FluiDyna, ENGYS,CAEソリューションズ(弊社) |
セッション概要



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- Under Construction: Computational Calculation
Dr.Ralph Sundermeier,Volkswagen AG
OpenFOAMのビッグユーザ、CAE歴史、シミュレーションの必要性、大規模並列計算の必要性、FEM&CFD具体的な解析事例の発表。ブレーキクーリング、流体騒音、トポロジー最適化など新しい内容もあった。
- Addressing complex technical challenges through public/private/academic partnerships
Dr. Louis Gritzo, FM Global
オープンソースの活用、fireFoamの開発報告、新しいスプリンクラーモデル紹介、防火以外のプロジェクトとして、仮想風洞、グローバル地震モデル(GEM)の立ち上げを行っている。
- Multiphase flows, associated modelling and its application
Henry Weller, OpenFOAM Foundation
混相流でのMULSE法の検証、開発について、発表の最後のスライドでは今後のFoundationの位置付とGPLv3の堅持を説明。
- Mesh generation, mesh motion and parallel running
Mattijs Janssens, ESI OpenCFD
snappyHexMesh開発の歴史、開発中のものとしては、マルチリージョン改善、スプリット機能、境界層メッシュ改良、ダイナミックリファインメントとの整合などがある。foamyHexMeshの開発状況を説明。
- 2日目の分科会では乱流モデル、エンジン燃焼、メッシュテクノロジー、応用事例、学術研究、検証報告など各11セッション、計33セッションが活発な討議の下行われた。日本からは大阪大学の鷲尾先生が湿ったパウダー流れのDiscrete Particle Simulation(DPS)事例の発表があった。研究内容の深さ、動画などを駆使した流暢な英語発表は新しい日本の研究者像を象徴して、見事な発表だったと思う。
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後記
台風18号の影響で、成田空港で足止めされ、半日過ごすアクシデントからのスタートだったが、ベルリンの落ち着いた雰囲気の中で開催された第2回のカンファレンスは、ESIスタッフの入念な事前準備と丁寧な運営で成功裡に幕を閉じた。HenryのFoundationへの移行目論見は今後のOpenFOAMのあり方を見据えたものだと思う。立ち話程度だが以前と同様オーラが感じられ、CFD業界を牽引する数少ないカリスマ開発者として、周りの人々をハラハラ、ドキドキさせ、影響を与え続けることだろう。
参加者はアカデミック、サポーター、サードパーティを除くとEUのくるまOEM、サプライヤと化学系企業が多かった。出席者総数としては昨年並みか以下だった。EUではオープンソースの活用が定着し、派手さはないが着実に実務での活用が進んでいると感じた。
今回の展示にあたり、資料提供、展示準備などでご協力いただいた皆様に感謝致します。
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