第4回 OpenFOAM®User Conference 2016レポート
第4回OpenFOAM® User Conference 2016がドイツ、ケルンで2016/10/11-13開催された。発表者、展示関係者含め約150名の参加があった。クリスティーナら主催者側の周到な準備とフレッドらの軽妙な進行で、基調講演含め43のセッションが恙なく行われた。特にCFD創始者のスポルディング先生の講演は素晴らしいものだった。CFDの歴史から始まり、個々のユーザーに向けたアプリケーションの必要性、クラウドCAEの活用など貴重な提案もあった。今回のキーワードはApps、One OpenFOAM®になったと思う。会場:
ケルン、Lindner City Plazaホテル外は息が白くなるような肌寒い気候だが、コンパクトにまとまったカンファレンスルームで熱気の溢れるセッションとなった。

一日目
基調講演ではスポルディング先生に続き、マイクより、ESIの取り組みと方向性、アウディのリチャードより、OpenFOAM®の利用状況と展望、ミラノ工試のフェデリコよりモデリングなどの話題が発表された。午後の部では自動車と化学関連の2コースに分かれ各6セッションが行われた。

二日目
基調講演の最初はキャタピラのトビアスより、船舶の流体解析ツールとしてのOpenFOAM®活用事例発表があった。続いて日本代表として清水建設ファムよりKコンピュータでの大規模並列計算事例発表があった。動画を交えた内容は濃く参加者の注目を集めていた。ESIグプタよりはワークフロー、Visual-CFDの説明があった。午後は船舶-環境、エネルギー-OpenFOAM®技術、HPC-OpenFOAM®アプリケーションの3コース、各7セッションの発表があった。また、昼食後にはVW, BASF, ESI, Wikki, Chalmers UniversityのメンバでOne OpenFOAM®をテーマにしたパネルディスカッションがあり活発な意見交換が行われた。ENSYS社アンドリューよりは、新しい精度向上が見込まれるsnappyHexMeshの技術紹介が行われた。OpenCFD社マタイスからはシンガポールの研究者との共同開発でOver Set Mesh (重合格子) の概要と次期バージョン v1706+でのリリース予定がアナウンスされた。

三日目
Tips, Visual-CFD, Technicalコースに分かれ技術研修が行われた。
ENGYS社展示
HELYX, ELEMENTSの展示説明とデモ、特に、AdjointとCoupled Solverを押していた。
感想
オープン性の強調と開発のバラバラ感を収斂させる動きが感じられた。マイクとハーヴォニュは緊密にコミュニケーションしているようだ。Johannes Kepler Universityのジョゼフのwiki.OpenFOAM®.comなどの取り組みが評価されていた。
謝辞・後記
当社にとってもOpenFOAM®は貴重なビジネスプラットフォームになっている。今後、ユーザー指向のアプリケーション開発、クラウドCAEでのサポートビジネスのコアとなるので、各方面の動向を注視しながら、バランスを保ち、コミュニティへの貢献も継続しながら活動を続けて行きたいと思う。末筆ながら、一週間の不在時にサポートいただいた皆様に感謝を述べさせていただきたいと思う。関連製品


