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Technical information (Column)技術情報(解析コラム)

2026.05.19

物置で見つけた「あの道具」を、Abaqusで解析してみた

今年のゴールデンウィーク、皆さまはいかが過ごされましたか?
私は久しぶりに実家へ帰り、重い腰を上げて物置の整理を手伝ってきました。埃にまみれた段ボールの山をかき分けていると、奥の方から「ガシャン!」という鈍い金属音が。
そこに転がっていたのは、今ではすっかり見かけなくなった金ダライでした。

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金ダライといえば、真っ先に思い浮かぶのは昭和から続くバラエティー番組のコントですよね。天井から絶妙なタイミングで落ちてきて、芸人さんの頭にクリーンヒットするあの光景。

「あの音、実は結構いい金属を使っているんじゃないか?」
「どれくらいの衝撃で、あの独特の凹みが生まれるんだろう?」

そんな職業病ともいえる疑問が湧いてきたところで、この「金ダライ」をエンジニアの視点で深掘りしてみることにしました。

Abaqusによる「金ダライ」のプレス成型解析

金ダライは、一枚の金属板を金型で押し込んで成形する「深絞り加工」で作られます。このプロセスを高度にシミュレーションするためには、Abaqusが持つ「陽解法」と「陰解法」の使い分けが鍵となります。

1. 陽解法(Abaqus/Explicit)による成型解析

プレス成型のように、工具と材料が複雑に接触し、大きな変形が短時間で起こる現象には陽解法が威力を発揮します。

・メリット: 複雑な接触境界条件でも収束性を気にせず計算が進み、板材のしわ発生や材料の流入挙動をリアルに再現できます。
・解析の肝: バラエティー番組の「落下・衝突シーン」の再現も、この陽解法が得意とする領域です。

2. 陰解法(Abaqus/Standard)によるスプリングバック解析

成型が終わって金型を離した後、材料がわずかに跳ね返る「スプリングバック」の予測には陰解法を用います。

・メリット: 静的な平衡状態を正確に解くことができるため、最終的な製品形状の寸法精度を厳密に評価できます。
・解析の肝: 陽解法で得られた成型結果を陰解法へ引き継ぐ「ソルバー間連携」こそが、Abaqusを使いこなす醍醐味と言えます。

今回は親しみやすい「金ダライ」を例に挙げましたが、製造現場におけるプレス成型や衝突解析、振動解析は、製品の品質とコストを左右する極めて重要な工程です。
物置の整理で見つけた古い道具が、最新のシミュレーション技術の凄さを再認識させてくれる。そんな少し変わった連休の思い出でした。

ソリューションの提供について

弊社ではAbaqusを用いた受託解析および教育支援を行っています。
「解析を導入したいが、設定が難しくて使いこなせない」
「非線形解析の精度を上げたい」
「社内のエンジニアを育成したい」
といったお悩みに対し、現場に即した実戦的なソリューションをご提供します。

お気軽にお問い合わせください。

 

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