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Technical information (Column)技術情報(解析コラム)

2024.03.18

Simcenter FLOEFD の話

Simcenter FLOEFD の話

FLOEFDのルーツは1980年代半ばの宇宙分野にまで遡ります…。

1980年代半ば、旧ソ連のモスクワ物理技術大学(MIPT)で、航空宇宙産業の専門家と共にAeroShape3Dという空気力学CFDコードが開発されました。当時のソ連では、西側諸国と同様の計算能力を利用できなかったため、精度を満たすだけでなく、限られた計算量で行う必要がありました。このような経緯から、生成が迅速な直行格子を使用し、かつ比較的少ないメッシュにより、航空宇宙分野で必要な精度の良い結果を求めるため、工学経験的および解析的モデルで補強された独自のCFDソルバーでした。その後、1980年代からAeroShape3Dは、旧ソ連の航空宇宙企業で使用され、90年代にはヨーロッパの航空宇宙企業(SEP/Snecma、DLRなど)でも使用されるようになりました。

その後、Nikaがソフトウェアの権利を引き継ぎ、解析の専門家ではないエンジニアでも簡単に使用できるCFDとして、CATIAやPro/ENGINEER(現Creo)等のMCAD(機械系CAD)組み込みのEFD(Engineering Fluid Dynamics)が開発されました。MCAD組み込みのため、複雑な形状に対しても堅牢であることが必要でした。
その後も進化を続け、Nikaは2006年にFlomericsに買収され、さらに2008年にはMentor GraphicsがFlomericsを買収しました。半導体設計向けEDA (Electronic Design Automation)ベンダーのMentor Graphicsによる買収により、FLOEFDはEDA分野での解析にも力を入れることとなりました。これにより、電子機器の設計における熱流体解析や他の多くのEDA関連の機能が強化され、設計者はより包括的な解析を行うことができるようになりました。

そして、2017年、SiemensがMentor Graphicsを買収しました。この買収により、FLOEFDはより強力なバックグラウンドを持つ企業の一部となりました。

現在の最新版であるFLOEFD 2312は、より複雑なモデルや現象をより早くシミュレーションできるよう、そして様々なソフトウェアや機能との連携などができるようにアップデートされています。例として、さまざまなエレクトロニクス向けの熱解析機能や、従来の線形構造解析に加えて、SiemensのNastran401ソルバーを利用した非線形材料や大ひずみ解析の機能です。これらの機能は、ユーザーがさらに複雑な問題に取り組むための手段を提供し、製品やプロセスの設計をより効果的に行うことができます。

FLOEFDはその起源から工学分野全般に貢献してきました。今後もより複雑な現象を簡単にそしてマルチに行えるツールに進化していきそうです。

FLOEFDについての詳細をお知りになりたい方は、ぜひ弊社のFLOEFDページも併せてごらんください。